家族を想うとき


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久しぶりに映画を見た。2019年イギリス。ケン・ローチ監督の作品である。
10月だったか、NHKだかBSだかで、ケン・ローチ監督と是枝監督が対談しているのを見た記憶がある。「テーマが重いし・・あまり関係ないかな」「最新作の番宣?『家族を思うとき』なんて、あまりセンスの良いタイトルじゃないな」なんて思い録画はしたが消去した。

でも、何となく気になっていたので、14日からKBCシネマで上映されると知り見ることにした。
驚いたことに今日本で子着ていることが描かれていた。今、日本では長時間労働や低賃金の是正など働き方改革が謳われているが、労働環境が“ブラック化”しているのは日本だけではないらしい。

安い給料でこき使われることに懲りた主人公が、夢のマイホームを手に入れられると思いフランチャイズの宅配ドライバーになった。1日14時間週6日の過酷な労働環境で休むこともままならない。家族は介護福祉士の妻と小学生の娘、高校生の息子と4人暮らし。働けば働くほど家族の関係に亀裂が入っていく。普通、映画は最後に微かな希望を残してくれるものなのだが、私には光は見えなかった。監督は問題を投げかけて終わったということか。重い。

映画を見た後、ネットのコメントに「高いお金出して暗い映画見るなんてばかばかしいかも。」と書き込みがあった。以前、明るく元気な友人から同じセリフを聞いたことがある。

私には80歳を超えた父と母がいる。
私は正規雇用であるが残業は多い。残業で帰りが遅いと早く寝てしまうため会話がない。朝ごはんの時だけ話をする。そして「早く帰ってきてね?」と送り出される。一度、母に「なんでそんなこと言うの?」と聞いたことがある。返事はなかった。「寂しいから」とは言えなかったのだろう。が、会話する時間が少なくなればなるほど母は言葉を忘れていく。家族の時間を大切にすれば、仕事ができなくなる。一緒にいる家族が子どもでも、年寄りでも同じなんだ。

今の私にできること。明日は早く帰って家族のために沢山時間を作ろう。