頑張れシクラメン


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3年前の12月オフィスにシクラメンがやって来た。私のオフィスには、観葉植物が置かれているが、毎日の水やりが必要な花はない。つまり誰も花のお世話をしたことがないというわけだ。ネットで「シクラメンの育て方」を検索し、先輩と協力して手さぐりしながら日々手入れをした。その後シクラメンは次々と花を開き、翌年5月まで皆の心に安らぎを与えてくれた。
花の時期が過ぎたシクラメンをどうするか。それが次の課題だった。

シクラメンは手入れ次第でまた咲かせることができるらしい。手入れとは夏越し。夏越しには「休眠させる方法」と「休眠させない方法」2つの方法がある。考えた結果、シクラメンを休眠させることにして水を与えないようにしたのだが、秋になってもちっとも葉っぱがでてこなかった。暫くして土を降り起こしてみたら・・球根がミイラになっていた。

一昨年の12月、またシクラメンがやって来た。2回目なので5月まで何とか無事に育てることができた。花期の後は問題の夏越しである。前回の反省から、今年は時々水やりしながら、涼しい日陰の場所でじっとしてもらうことにした。葉っぱは枯れずに元気なので、土が少々乾いても過保護になり過ぎないように、ぐっと我慢して水やりを続けた。ここがポイントらしい。水やりに気をつけながら直射日光に当てないように大切に育てている。休眠させないで夏越しをさせる方法は難しいらしい・・・なんてことも知らなかったが、昨年と違い葉っぱが枯れないので「まだ生きているんだ」と思いながらあまり期待もせずに育てている。

実は昨年12月に来た、3代目のシクラメンがうまく育っていない。葉っぱが黄色くなったり、花がすぐに倒れたり。3回目だから少々自信があったのだが…「いったいどうしたらいいんだろう」と試行錯誤していた途中のことである。休眠させずに水やりしているシクラメンから大きな茎が伸びていることに気が付いた!

何と、その先には蕾が光に向かって伸びているではないか!

何だか幸せな気分になった。偶然、今年の春退職した例の先輩が来ていたので、二人でシクラメンの蕾を喜んだ。3年前、初めてシクラメンがオフィスに来た時も、私は水やりと温度調整しか頭になかったが、先輩は「少し栄養与えておきました」と時々液体肥料を入れてくれていた。今日も「葉っぱも撫でて上げるといいんだって」と言いながら、優しく葉っぱを撫でていた。確かに、テーブルの下で日差しを遮って、隠れるように育てていたので葉っぱに埃がついていた。私も真似て撫でてあげた。鉢を覗きこむと無数の小さな蕾が頭をもたげている。「蕾は前にもあったような気がするけどな」などと思いながら「月曜日には大きくなってるかな」などと思い一人でニヤニヤした。

花には自然の生命力がある。蕾が頭をもたげて開花したり、花は咲かずとも、新しい茎が伸びていったり。太陽のに向かって真っ直ぐに、背筋を伸ばして生きていシクラメン。とても力強く美しい。

頑張れシクラメン